世界で活躍するData Scientistを輩出!NUS MSBAの全貌とは?

世界で活躍するデータサイエンティストを目指す

日本のデータサイエンティスト人材は圧倒的に不足していると言われる今日この頃ですが、ここシンガポールでは大学を挙げて当人材の育成に取り組んでいます。

以前の記事で、我が母校のシンガポール国立大学にデータサイエンティストを育成する大学院(MSBA: Master of Science in Business Analytics)があることをご紹介しました。

データサイエンティスト必見!NUS MSBA入学者インタビュー

近年、NUS MSBAのようにデータサイエンティスト育成を目的とした大学院を開設する動きが世界中で広まっています。

しかしMBAとは違い、MSBAはどのような授業が行われているかについて日本語での情報は少ないのが現状です。そこで、今回は実際にNUS MSBAプログラムに在籍中のTakaさんに、プログラムの詳細について寄稿いただきました。

専門用語多めです
当記事は具体的にどのような内容を学ぶかを深く調べたい方にも読んで頂くことを想定しているため、あえて専門用語を多く使っている箇所があります。専門用語の意味が分からなくても授業内容の概要は理解できるように配慮しておりますが、一部 専門用語が多い箇所があることを予めご了承下さい。

MSBAのカリキュラムはこうだ!

NUS MBAが基本的に3セメスターで卒業するのに対し、MSBAでは2セメスター+インターンシップをした後に卒業となります。これはFull Timeの場合で、就業しながら学ぶPart Timeとして入学した場合は2年間かけてMSBAで学ぶことになります。

MSBAはMBAと同じく「コースワーク」の修士課程
日本の大学の修士課程の多くは「博士前期課程」に相当し、2年間かけて研究を行い修士論文を執筆して修了となります。この博士前期課程では研究者を育成する意味合いが強いのに対し、コースワークの修士課程では研究を行うのではなく、授業を受けて知識の習得と実践をすることがメインの活動となります。
Capstone Project
インターンシップはCapstone Projectと呼ばれており、MSBA卒業の必須要件となっています。期間の目安は約3か月となっていますが、プロジェクトによってはより長い期間インターンシップに従事する可能性があります。なお、MSBAではCapstone Projectでの成果を論文として執筆することになりますが、研究者が学会で発表する論文とは少し主旨が異なります。

NUS MSBA 1stセメスターの授業とは

1stセメスターで開講された授業の概要を紹介します。

ここでは、今年の1stセメスターで私が受講した授業について概要をご紹介します。MSBAは2013年に開設されたばかりの比較的新しいコースなので、来年以降カリキュラムが変わる可能性はありますが、イメージを掴む役に立つと思います。

1stセメスターでは、下記5つの必須授業を受講します。

①Statistics

Rというオープンソースの統計解析ソフトウェアを使って、統計モデリングを学びました。扱う手法は回帰分析、一般化線形モデル、LassoやRidge回帰、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、K-Meansなどです。

今年はポケモンGOが流行ったこともあり(?)、中間テストではポケモンとシンガポール地理データを使った分析に取り組みました。

Statistics授業シラバス

②ANALYTICS IN MANAGERIAL ECONOMICS

ミクロ経済学および計量経済学を学びました。

ミクロ経済学の範囲としては需要と供給の概念、価格差別、ゲーム理論の基礎を扱いました。また、計量経済学の範囲としては、因果推論に使われる手法(操作変数法、差分の差分法など)を学びました。この授業でもRによるデータ分析を行います。

Analytics in Managerial Economics授業シラバス

③DETERMINISTIC OPERATIONS RESEARCH MODELS

線形計画法や最大フロー問題、動的計画法といったオペレーションズリサーチで使われる手法について学びました。

工場の生産計画や物流経路を最適化する問題において、どのように問題をモデリングするか(=問題をどのように数式で表現するか)を学びました。また、ソフトウェア(AMPL)を使って、モデル化した問題の最適解を求めるプログラミングについても取り組みました。

こちらの授業においてもポケモン絡みの課題が出ました。レポート課題の1つとして「各地に存在するポケモン達を全て捕まえるためには、どの経路を辿るのが最短か?」を求める問題が出題されました。

④DATA MANAGEMENT AND WAREHOUSING

SQLiteというソフトを使ってSQLの基礎を学んだり、データウェアハウスの概念(スタースキーマなど)を学びました。また、授業の一環として、シンガポールIBMのエンジニアによるデータ分析ツールに関するセミナーも受講しました。

もし既にデータウェアハウスに関する知識・経験がある場合には、この授業をスキップすることができ、その代わりに他の授業を選択することも可能です。

⑤Capstone Project

先に述べたように、MSBAでは現地企業とのインターンシップ(Capstone Project)を行います。

1stセメスターでは、主にビジネススクールの教授によるファイナンスやマーケティング基礎についての講義を受講し、ビジネスの基礎知識を習得することになります。今後はインターン先候補の企業によるセミナー(どうアナリティクスをビジネスに活かしているか、など)が開催される予定です。

終わりに

今回、MSBAにて1stセメスターで開講された授業の概要をご紹介しました。

次回のは、その中でもTakaさんが興味深いと感じた授業の一つである「ANALYTICS IN MANAGERIAL ECONOMICS」について、より具体的な授業内容をご紹介する予定です。

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ABOUTこの記事をかいた人

Asia de MBA編集長。シンガポール国立大学MBA intake2016 公認会計士。大学卒業後、監査法人に入所。会計監査・コンサルティング業務に従事するも、会計スキルだけでは事業は創れないと思い、マーケティング・リサーチ会社に転職。東南アジア各国で消費者リサーチ業務に従事する傍ら、ジャカルタで東南アジアを統括する業務拠点の構築に主要メンバーとして参画。